ヒアルロン酸塞栓・失敗を防ぐために知っておくべきリスクと対処法
ヒアルロン酸注入は、現在もっとも身近な美容医療のひとつです。
一方で「塞栓が怖い」「失敗したらどうなるの?」という不安の声も少なくありません。
このコラムでは、ヒアルロン酸塞栓や失敗の正体を医学的に整理し、
「何がリスクで、どうすれば防げるのか」
「万が一のとき、どんな対応ができるクリニックを選ぶべきか」
を、医師の実体験をもとに解説します。
ヒアルロン酸塞栓とは?なぜ起こるのか
顔面の血管走行とヒアルロン酸塞栓のメカニズム
ヒアルロン酸塞栓(血管閉塞)とは、注入したヒアルロン酸が血管内に入り、血流を妨げてしまう状態を指します。
血流が遮断されることで、皮膚の血行障害や、まれに重篤な合併症につながる可能性があります。
塞栓の医学的メカニズム
顔には非常に細かく複雑な血管ネットワークが張り巡らされています。
この血管内にヒアルロン酸が入ると、血流が遮断され、周囲組織へ酸素や栄養が届かなくなります。
なぜ「完全に防げない」のか
ヒアルロン酸注入では、
- 逆血確認
- カニューレ使用
- 注入前の触診
といった対策を行いますが、血管の走行や太さは一人ひとり異なるため、100%予測することはできません。
そのため、塞栓は「極めて稀」ではあるものの、ゼロにはならないリスクなのです。
ヒアルロン酸注入で起こりうる「失敗」とは
失敗の種類と原因の分類
「ヒアルロン酸の失敗」という言葉には、実はさまざまな意味が含まれています。
見た目の失敗
- 左右差
- 凹凸・しこり
- 不自然な膨らみ
これらは注入層や量、製剤選択が適切でない場合に起こりやすいトラブルです。
医学的なリスク
- 血流障害
- 皮膚の血行不良
- まれに視力障害
ここで重要なのは、「副作用」と「医療トラブル」は異なるという点です。
多くの腫れや内出血は一時的な副作用であり、必ずしも失敗ではありません。
塞栓・失敗が起こりやすい部位
顔面のリスク部位マップ
ヒアルロン酸注入では、部位ごとにリスクの性質が異なります。
鼻(特に鼻先・鼻翼部)
血管が非常に多く、側副血行(バックアップ血管)が乏しい部位です。
血流障害が起きた場合、影響が大きくなりやすいため、特に慎重な判断が必要です。
中顔面(目の下・頬)
構造的に重要な血管が走行しており、注入層の選択が極めて重要です。
下顔面・顎
比較的安全とされることもありますが、注入量や左右差への配慮が欠かせません。
塞栓・失敗を防ぐために医師が行う安全対策
製剤特性と注入層の安全設計
安全なヒアルロン酸治療には、いくつもの要素が重なります。
- 解剖学的理解
- 注入層の正確な選択
- 製剤の硬さ・流動性の使い分け
- 注入量・スピードの管理
院長が最も重視していること
私が最も注意しているのは血流障害です。
ただ、本当に怖いのは、患者様が異変を感じていても「これがトラブルなのかわからない」まま時間が経ってしまうことです。
血流障害は早期対応が何より重要です。
だからこそ当院では、少しでも違和感があれば、迷わずすぐ連絡してくださいと必ずお伝えしています。
技術だけでなく、相談しやすい環境を整えることも安全対策の一部と考えています。
万が一トラブルが起きた場合の初期対応
緊急時の対応フローチャート
血流障害が疑われる場合、初期対応のスピードが結果を左右します。
- 強い痛み
- 皮膚の色調変化
- 違和感が増していく感覚
これらがあれば、自己判断せず、すぐにクリニックへ連絡することが重要です。
BiBiクリニックでは、
- ヒアルロニダーゼを常備
- 羊由来・人由来の2種類を使い分け
- 緊急時は即時溶解可能な製剤を使用
血流障害に対する溶解処置は無償対応としています。
また、視力障害のリスクに備え、眼科と提携し迅速な連携が可能な体制を整えています。
「安全なクリニック」を見極めるためのポイント
安全なクリニックの見極めポイント
安全性を重視するなら、次の点を確認してください。
- リスクをきちんと説明してくれるか
- 「やらない判断」をしてくれるか
- トラブル時の対応体制が明確か
「大丈夫です」「問題ありません」だけで終わる説明には注意が必要です。
詳しくはヒアルロン酸で失敗しないクリニックの選び方もご参照ください。
まとめ|リスクを知ることが、安心して受ける第一歩
安全なヒアルロン酸治療の3つの柱
ヒアルロン酸注入は、正しく行えば非常に満足度の高い治療です。
そのためには、
- リスクを正しく理解すること
- 何かあったときにすぐ相談できること
- 医師が「安全」を最優先に考えていること
これらが欠かせません。
不安がある方こそ、まずはカウンセリングでご相談ください。
「不安をそのままにしないこと」が、安全な美容医療への第一歩です。
